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2025-12-11

CROSSARROW60 実用性の高いHHKB英語配列風の自作キーボード

2025年の個人的ベストキーボード、購入してからメインで使い続けているCROSSARROW60の紹介です。

CROSSARROW60とは

CROSSARROW60はムクネスさんがご制作されている自作キーボードです。

私は2台持っています。

CROSSARROW60(1台目)

筆者のCROSSARROW60(1台目)。キーキャップはPBTfans Memphis98を搭載。ノベルティのキーを親指に添えてだいぶかわいらしくなった。

CROSSARROW60(2台目)

筆者のCROSSARROW60(2台目)。キーキャップはWS PBT WOBをチョイス。意外と渋かっこいい見た目になってお気に入り。なお親指キーの印字が1台目と異なるが、いい感じのキーキャップがなかったため適当なキーで代用しているだけ。

このキーボードを一言で例えるなら、HHKBの英語配列から右のFnキーを消して、矢印キーと親指クラスタを追加したキーボードです。

特に、

  • JIS配列のEnterキーよりもANSI配列のReturnキーが好み
  • Fnキーが左側にほしい
  • JIS配列の無変換変換の位置にキーがほしい (★★★★★)
  • 独立した矢印キーはあったほうが良い
  • HHKB英語配列の右上の配置(Backspaceやバッククォート)の配置が好み
  • (メカニカルキーが好み)

という、つまり私には最高の選択肢でした。

組み立てについて

自作キーボードの類なので利用者側で組み立てが必要ですが、こちらの組み立ては非常に簡単でした。 スタビライザーの組み立てが最も難しい、と感じるくらいです。

精密プラスドライバーさえあれば組み立て可能です。 Build guideにあるように基板のバリ取り用のヤスリがあると仕上がりをよくできますが、なくても動作するものは作れます。

無変換・変換の位置にキーがある

無変換・変換の位置のキー

個人的大本命の親指キー。英語配列でこのキーが存在するのは貴重。

CROSSARROWという名前のとおり、独立した矢印キーの存在がこのキーボードの訴求点ではありますが、 私にとっては矢印キーよりも

JIS配列における無変換, 変換の位置にキーが存在している

点が非常に大きな利点だと感じています。

これにより、US配列風なのに無変換, 変換(macOSでは英数, かな)で日本語切り替えができる、という、US配列とJIS配列のいいとこ取りになっています。

英語配列キーボードの多くはスペースバーが非常に長く、スペース以外を押す際は親指を多少ストレッチする必要があります。 一方、このキーボードはJIS配列同様にスペースバーが短めで、ホームポジションで親指を楽にしたまま両隣のキーを押すことができます。

さらにそれだけにとどまらず、QMKで無変換・変換のキーをLT()に設定することで、

  • 単押ししたときは無変換, 変換として振る舞う
  • 長押しして+他のキーを押したときはFnレイヤーキーとして振る舞う

という挙動を設定できます。これはHHKBのキー設定では実現できない挙動です。

(もちろんAutoHotKeyなど、ソフト側で頑張ればできなくはないとは思いますが…)

Note

ちなみに、OS側がキーボードをANSI(US配列)として認識していても、キーボード側から無変換変換英数かな のキーコードを送信すれば普通に機能します。

少なくとも、Windows11, macOSのGoogle日本語入力と、LinuxのMozc(fcitx 5, Pop!_OS 24.04)では機能することを確認済みです。

QMK

キー配置の変更はQMKでファームウェアをビルドして書き換える方式で行います。

当然ですがHHKBなどのように専用アプリで行うよりは遥かに敷居が高いです。

一方で先述のLT()のように、キーカスタマイズの自由度はこちらのほうが高いです。

Windows環境であれば製作者本人のビルド環境構築の通りにすれば比較的簡単にできると思います。 macOS, Linuxの方は他のウェブサイト等を参考に、QMKの環境を構築する必要があります。

Tip

組み立てた後にキー配置を更新する場合、基板の2枚目、右側面の奥側あたりにあるBOOTボタンを押せると楽にできるのですが、このときThinタイプのギターピックがあれば分解しなくても押せます。 地味なハック。 ただし、少し厚めのピックや、カード類は厚すぎて入りません。 Bootボタン

該当のボタンはここ。非常に薄いギターピックなどがあればそのまま押せます。

独立した矢印キー

独立した矢印キーの存在

独立した矢印キー。あるに越したことはないですね。

もちろん、独立した矢印キーが存在する点も大きいです。

個人的にはコーディングはともかく作曲等では独立した矢印キーは必須なので、これの存在は非常にありがたいです。

DTMにおいてマウスを右手で操作しながら矢印キーで音程調整、といった操作をよくやるのですが、HHKB英語配列だとどう頑張ってもFnとの同時押しになるので非常に面倒でした。 独立したキーとして存在すれば全部解決です。 矢印キーがないキーボードをDTMで使うなという話ですが

なお、矢印キーの搭載位置が少し内側寄りなので、慣れるまでは少しタイプミスが出ます。ただし、すぐ慣れます。

慣れてさえしまえば入力のしやすさはかなり良好です。ホームポジションに近いゆえ、ごく僅かですがホームポジションからの手の移動量が削減できます。また、矢印に手を置きながらでもReturn, Backspaceがわずかに押しやすいように感じます。 とはいえ、まぁ些細な違いです。

また、矢印の左右キーの両隣にキーがなく隙間が空いているため、パッと手を移動した時でもミスが起きにくいです。地味なメリットかもしれない。

右上のキーレイアウト

右上のキーレイアウト

右上の記号クラスタはHHKB英語配列と同じレイアウト。

右上のレイアウトはHHKB英語配列と同じく1uが2つになっています。 筆者はHHKB英語配列と同じ記号レイアウトにして使っています。

とはいえ、キー配置はQMKで自由に変更できるので、普通のANSI配列のようにReturnの上隣を\、最右上の1uをBackspaceに設定することも可能です。(というかデフォルトではそうなっています。)

私はReturnの上隣にあるBackspace配置に慣れてしまっているので、一般的なキーボードを触ると\を誤爆しまくってしまいます。 HHKBを触る前、あれだけ何年も触ってきた最右上のBackspaceだというのに…慣れとは恐ろしい。

一応、注意点

私の実用上はほぼ問題ありませんが、念のため。

  • 無線機能はありません。

  • 右のShiftキーが普通のANSI配列と比較すると遠いです。

    • 右Shiftを普段から多用する方はもちろん、多用しない方でもゲームなどでL, ;, ', 右Shift のような使い方をしようとすると、右Shiftの遠さが左手側のそれより遠くなるので違和感があります。(DJMAXなど)
  • スペースキーの右側のキーは2つだけです。

    • HHKBの日本語配列はスペース右に4つも親指キーがあるので、この点ではあちらのほうが優位です。HHKB日本語配列と比べると、CROSSARROW60の特徴は右側の記号クラスタがHHKB英語配列に似ていること、Enterキーの形状がANSIタイプであること、キー配置変更の自由度が高い点になります。
  • HHKBの英語配列の右Fnに相当するキーがありません。

    • とはいえ、よくHHKB英語配列への入門で語られる矢印キーがない問題は独立した矢印キーがあるので問題ないですし、日本語入力切替どうするか問題は先述の無変換変換キーで解決するので、日常使いにおけるFnキーの必需性はあちらよりはだいぶ低いです。
    • どうしても小指で押す右Fnが必要な場合は、右ShiftをFnにしてしまうのが一番無難かもしれません。
  • スペースバーの長さは 2.75u です。キーキャップのベースキットに含まれていないこともあり、別売りのスペースバーセットが必要になる場合もあります。

  • 自作キーボードゆえHHKBなどと比べるとチルト調整は難しいです。

    • HHKBなどのように動的にチルトの調整を行うことは(そのようなパーツを取り付けない限り)できません。
    • 付属の滑り止めでは高さがほとんど稼げません。あくまで滑り止め用だと割り切りましょう。
    • 角度を付けたい場合はホームセンターで買えるシリコンクッションを裏側に貼り付けると簡単に調整できます。

裏面のシリコンクッション

筆者は高さ5mmのシリコンクッションを奥側に貼り付けています。
これでHHKBの1段階チルトとほぼ同等のチルトになります。